養育費が支払われていないときは、最初からすべての手続を調べる必要はありません。
まず、手元にある書面と入金履歴を確認します。そのうえで、取り決めの有無、相手の住所、現在の収入状況、未払いが続いている期間に合う対応を選びましょう。
取り決めがない場合や相手の住所が分からない場合も、それぞれ確認できる方法があります。
最初に書面・入金履歴・相手の情報を整理します
未払いへの対応を選ぶ前に、今分かっていることを次の表へ当てはめてみてください。
| 確認するもの |
分かること |
| 養育費について書かれた書面 |
月額、支払日、支払期間、強制執行に使える記載の有無 |
| 通帳・取引履歴 |
最後の入金日、未払いの対象月、未払いの合計額 |
| 相手とのLINE・メール |
支払予定、減額の申出、相手が説明している事情 |
| 相手の住所・勤務先・口座の情報 |
連絡や裁判所の手続に必要な情報がどこまで分かっているか |
すべてそろっていなくても、分かるところから整理できます。書面の名称だけでなく、誰が、誰に、毎月いくらを、いつまで支払うと書かれているかを確かめてください。
強制執行に使える書面がある場合は記載内容を確認します
強制執行認諾文言付き公正証書、調停調書、審判書、判決書などがある場合は、給与や預金等の差押えを検討できることがあります。
ただし、書面があれば自動的に回収できるわけではありません。支払う人、受け取る人、未払い額、支払期限が特定できるか、公正証書には強制執行認諾文言があるかを確認します。
家庭裁判所の調停・審判等で取り決めた場合は、支払いを促す履行勧告を申し出られることもあります。履行勧告と差押えは別の手続です。
離婚協議書・合意書だけの場合は書かれている内容を確認します
離婚協議書や合意書があっても、強制執行認諾文言付き公正証書や調停調書と同じ方法で直ちに差押えができるとは限りません。
まず、月額、支払日、支払期間、当事者と子どもが特定できるかを確認してください。そのうえで、催促を続けるか、裁判所の手続が必要かを判断します。
取り決めがない場合は月額と支払いを始める時期を決めます
養育費の取り決めがない場合や、口約束だけで内容がはっきりしない場合は、月額と支払いを始める時期を決める必要があります。
父母で話し合える場合は、月額、開始月、支払日、終期を具体的にします。話し合いがまとまらない、または話し合いができない場合は、家庭裁判所へ養育費請求調停を申し立てる方法があります。
相手の住所が分からない場合は請求先を確認します
相手の住所が分からない場合も、戸籍の附票や住民票の除票などを取得できることがあります。取得できる人や必要な資料には条件があります。
相手の勤務先やSNSへ直接連絡して支払いを求めるのではなく、現在分かっている氏名、生年月日、以前の住所、勤務先などを整理し、利用できる確認方法を選んでください。
相手が無職・自己破産の場合は請求と回収可能性を分けます
相手が無職または自己破産したことだけで、養育費の請求について一律の結論が出るわけではありません。
現在の収入、無職になった経緯、預金等の財産、取り決めの有無によって、金額と現時点の回収可能性が変わります。請求できるかという問題と、今すぐ支払いを受けられるかという問題を分けて確認してください。
未払いから時間が経っている場合は時効を確認します
取り決めがある毎月の養育費は、原則として各月の支払期日から5年を基準に時効を考えます。
調停調書、審判、判決等で確定した過去分は10年となる場合がありますが、将来分まで一律10年ではありません。未払いが続いている場合は、対象月ごとに支払期日を並べてください。
催促から始める場合は対象月・金額・期限を伝えます
相手と連絡できる場合は、未払いの対象月、合計額、振込期限、回答期限を短い文章で伝えます。
返答がないからといって、短い間隔で同じ催促を繰り返す必要はありません。送った文章と日時を残し、期限後は内容証明郵便など次の方法へ切り替えるかを考えましょう。
未払い養育費の対応を相談したい方へ
どの手続から始めるかは、書面の種類、取り決めの有無、相手の住所、収入・財産、未払い期間によって変わります。
相談するときは、養育費について書かれた書面、入金履歴、相手とのLINE・メール、相手の住所や勤務先として分かる情報を、手元にある範囲で整理してください。
弁護士法人ワンピース法律事務所では、未払い養育費についてLINEで相談を受け付けています。現在分かっている状況から、次に確認する内容を一緒に整理します。