養育費の取り決めで大切な9つの内容とは?話し合いの進め方をわかりやすく解説

弁護士
木村 和弘
これから養育費を取り決めるときに、まず大切なのは、子どもの生活やこれからの成長を第一に考え、父親と母親が子どもに必要なお金について話し合うことです。
そして話し合った内容は、後から「聞いていない」「そのように決めていない」という行き違いにならないように、口約束では終わらせず、書面に残し、二人で確認できるようにしておくと安心です。
養育費を取り決める際には、毎月いくら支払うのか、受け取るのか以外にも、いつから支払うのか、いつまで支払うのか、進学や医療などでまとまった費用が必要になったときなど、さまざまなことを決めておく必要があります。
養育費の取り決めを話し合うときの進め方
離婚する前や、離婚した直後に養育費について話し合うことは、簡単なことではありません。これまでのことを思い出し、相手の嫌だったところや、傷ついた言葉ばかりが浮かんでしまうこともあると思います。相手の顔を見るだけで気持ちが乱れ、話をすることさえ難しい場合があります。
養育費の取り決めは、子どもがこれから安心して生活していくために、父親と母親で決めておく必要のある大切なことです。気持ちの整理がつかず、すぐに話し合うことが難しい場合でも、子どものこれからのために、少しずつ話し合いを進めていくことが大切です。
まずは、「子どものこれからの生活について、落ち着いて話す時間を作りたい」と相手へ伝えてみてください。会って話すことが難しいときは、LINEやメールで伝え、話せる日時を相談する方法もあります。
実際に養育費について話すときは、最初から金額や条件について結論を出そうとせず、子どものこれからの生活について、お互いがどのように考えているのかを落ち着いて話し合うことが大切です。
養育費について自分の考えを伝えるときは、相手を責めるのではなく、「子どもの生活のことで心配していることがある」「これからのことを一緒に考えたい」と、自分が考えていることを落ち着いて伝えるようにしてください。その上で、相手がどのように考えているのかも聞くことが大切です。
途中で言い合いになりそうなときは、その場で結論を出そうとしなくてもかまいません。「今日はここまでにして、また改めて話したい」と一度時間を置くことで、気持ちを落ち着かせてから、次の話し合いにつなげることができます。
養育費を取り決める時に確認しておきたい大切な9つのこと
養育費について話し合うときは、毎月いくらにするのかだけではなく、子どもがこれから安心して生活していくために、父親と母親の間で決めておきたい大切なことがあります。
例えば、いつから支払うのか、いつまで支払うのか、支払日や振込先をどうするのか、進学や医療などでまとまった費用が必要になったときにどのように負担するのかといったことです。
また、収入や子どもの進路が変わったときにどう見直すのか、支払いが遅れたときにどう連絡するのか、話し合った内容をどの書面に残すのかについても、後から困らないために大切です。
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毎月の養育費の金額はいくらにするのか
毎月の養育費の金額は、子どものこれからの生活を支えていくために、最初に話し合いたいことの一つです。
金額について話し合う前に、父親と母親それぞれの現在の収入が分かる資料を手元に用意しておくと、金額について話し合いやすくなります。給与を受け取っている場合は源泉徴収票や給与明細、個人で仕事をしている場合は確定申告書などです。
また、子どもの人数と年齢も、養育費の金額を考えるときに必要です。子どもが1人なのか2人なのか、何歳なのかによって、参考になる養育費の目安が違うためです。
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いつから養育費の支払いを始めるのか
養育費をいつから支払うのかを決めるときは、「何年何月分の養育費から支払うのか」と「最初にいつ振り込むのか」を分けて決めるようにしてください。
例えば、「2026年10月分から、最初の振込は2026年10月25日」と決めれば、養育費の対象となる月と最初の振込日を明確にできます。
「離婚後から支払う」とだけ決めると、離婚した月から支払うのか、翌月から支払うのかが分かりません。月の途中で離婚した場合も、その月を1か月分として支払うのか、日割りにするのかを決めておくことが大切です。
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養育費を毎月何日までに支払うのか
養育費を取り決めるときは、毎月の支払日を決めておくことも大切です。支払日が決まっていれば、受け取る側は生活費の見通しを立てやすく、支払う側も毎月の支払いを続けやすくなります。
毎月の支払いは、「毎月25日まで」、「毎月末日まで」のように、日付を決めるようにしてください。また、支払う側が毎月無理なく支払いを続けられる日を決めておくと、入金が遅れる可能性を減らせます。
支払日が決まっていなければ、いつの時点で支払いが遅れているのかを判断できません。土曜日、日曜日、祝日に当たる場合は、前営業日までに支払うのか、翌営業日までに支払うのかも決めておきましょう。
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養育費の支払いを終える時期をいつにするのか
養育費を何年何月分まで支払うのか、つまり最後の支払いをいつにするのかは、毎月の金額とあわせて決めておきたい大切なことの一つです。
子どもが何歳になるまで支払うのか、大学を卒業するまで支払うのかなど、支払いを終える時期については、父親と母親の考えが違うことがあります。この点については、子どもの進学の予定や、これからどのような生活を送っていくのかも考えながら決めていくようにする必要があります。
「成人するまで」「自立するまで」とだけ決めると、実際に何年何月分まで支払うのかが分かりません。子どもが複数いる場合は、それぞれの子どもについて、いつまで支払うのかを決めておくことも大切です。
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養育費をどの口座へ振り込み、手数料は誰が負担するのか
養育費を毎月どの口座へ振り込むのか、振込手数料を誰が負担するのかも、あらかじめ取り決めておくことが大切です。
振込先は、銀行名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義まで具体的に記載します。振込手数料については、支払う側が負担するのか、養育費から差し引くのかによって、実際に受け取る金額が変わります。
銀行振込にすると、支払日と金額が通帳に残るため、支払いがあったことを後から確認しやすくなります。口座を変更する場合は、いつまでに、どのような方法で相手へ伝えるのかも取り決めをしておけば、振込先の変更について、後から認識の違いが生じにくくなります。
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養育費以外にまとまった費用が必要になったときはどうするのか
子どもの進学やけが・病気などによって、毎月の養育費とは別に、まとまった費用が必要になることがあります。このような費用が必要になったときに、父親と母親のどちらが、どのくらい負担するのかも、あらかじめ取り決めておくことが大切です。
取り決める内容には、どのような費用を対象にするのか、費用が必要になったときはいつまでに相手へ連絡するのか、父親と母親がどの割合で負担するのか、いつまでに支払うのかといったことがあります。
急な入院や救急受診など、事前に相手へ連絡できない場合もあります。そのようなときに、後からどのように事情を伝えるのか、費用をどのように分担するのかについても、あらかじめ取り決めておくと安心です。
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養育費の金額を見直す必要がある場合はどうするのか
養育費を取り決めた後でも、父親または母親の収入が大きく変わった場合や、子どもの進学などでこれまでと生活に必要なお金が変わった場合には、養育費の金額を見直す必要が出てくることがあります。
金額を見直す必要がある場合には、どのような事情があれば見直すのか、相手へいつまでに伝えるのか、増額や減額についてどのように話し合うのかを、あらかじめ取り決めておくことが大切です。話し合った内容をどのように確認するのかも、あわせて決めておくと、金額の変更を進めやすくなります。
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養育費の支払いが遅れたときに決めておきたいこと
養育費の支払いが遅れた場合に、遅延損害金を支払うのかどうかも、あらかじめ取り決めておくことが大切です。
遅延損害金を支払うことにする場合は、養育費の支払いが遅れたとき、いつから遅延損害金が発生するのか、どの利率で計算するのかが分かるようにしておく必要があります。
遅延損害金を請求するのか、請求しないのかが分かるように書面へ残しておくと、支払いが遅れたときに、後から認識の違いが生じにくくなります。
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養育費について決めたことは書面に残すことが大切です
養育費について話し合って決めた内容は、口約束だけで終わらせず、父親と母親のどちらも後から確認できるように書面へ残しておくことが大切です。
養育費の取り決めを書面で残す場合は、合意書、誓約書、離婚協議書に記載して作る方法があります。離婚する前に養育費を含めた条件をまとめる場合は離婚協議書、離婚した後に養育費について決める場合は合意書、支払う側が養育費を支払うことを約束する場合は誓約書に残す方法があります。
また、養育費の支払いが遅れた場合に、給与や預金の差押えまで考えておきたいときは、公正証書を作成する方法があります。強制執行認諾文言付きの公正証書であれば、養育費の支払いが滞った場合に、改めて裁判をせずに給与や預金の差押えを申し立てることができます。
相手と話し合っても養育費を決められない場合は?
相手が話し合いに応じない場合や、養育費の金額、支払期間、養育費以外に必要になる費用について話し合っても合意できない場合は、家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てる方法があります。
調停では、裁判官と調停委員が間に入り、父親と母親それぞれの考えや収入、子どもの生活に必要なお金を確認しながら、養育費について話し合いを進めます。二人だけで直接話し合うことが難しい場合でも、養育費を決めるための話し合いを進めることができます。

弁護士
木村 和弘
養育費の取り決めについて、弁護士に無料で相談できますので、お気軽にご相談ください。
養育費をいくらにするのか、いつからいつまで受け取るのか、支払日、進学費用、書面への残し方など、取り決める内容はご家庭の状況によって異なります。
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