養育費について話し合いたくても、いつ、どのように切り出し、何を決めればよいのか迷うことがあります。
話し合いを始める前に、金額の目安・支払期間・子どもにかかる費用を整理しておくと、伝えたい内容が明確になります。
相手と連絡を取ることが難しい場合や、安全面に不安がある場合は、直接話し合う必要はありません。家庭裁判所の調停や、弁護士を通じた連絡を検討してください。
養育費の話し合いは5つの順番で進めます
養育費の話し合いでは、毎月の金額だけでなく、支払日、支払いを続ける期間、進学や入院で特別な費用が必要になった場合の負担まで決めておくことが大切です。
合意できた内容は、後から父母の認識が食い違わないよう、書面に残しておきましょう。
話し合いから書面化までの5段階- 1 話し合う内容を整理する — 金額・支払期間・子どもの費用を書き出します
- 2 連絡方法と日時を決める — 対面・電話・LINEなどから安全な方法を選びます
- 3 項目ごとに話し合う — 月額・支払日・終期などを一つずつ決めます
- 4 合意内容を文章にする — 双方の認識が同じか文章で確かめます
- 5 合意を書面に残す — 合意書・離婚協議書・公正証書などを選びます
一度の話し合いですべてを決めようとせず、金額や支払期間など、項目ごとに整理して進めてみましょう。
話し合う前に安全と連絡方法を決めましょう
最初に考えてほしいのは、対面で話せる相手かどうかです。
落ち着いて話せる関係であれば、対面や電話を選ぶ方法があります。直接話すと感情的になりやすい場合は、LINEやメールなど、文章でやり取りできる方法もあります。
LINEやメールは送受信した内容が残るため、後から合意内容や話し合いの経過を振り返りやすくなります。相手のアカウント名、送信日時、前後の会話が分かる状態で保存しておきましょう。
安全を優先してください
DV・モラハラの経験がある場合や、相手と接触することに危険を感じる場合は、一人で連絡したり会ったりしないでください。ご自身とお子さまの安全を優先し、弁護士や公的な相談窓口を通じた連絡を考えるようにしてください。
切り出す前に金額・支払期間・子どもの費用を整理します
話し合いを始める前に、次の内容を分かる範囲で書き出しておきましょう。
- 裁判所の養育費算定表をもとにした月額の目安
- 給食費、保育料、学用品、通院費など、現在子どもにかかっている費用
- 毎月の支払日、振込先、支払いを始める月
- 18歳、20歳、大学卒業時など、支払いを終える時期
- 進学費用や入院費など、毎月の養育費とは別に生じる費用
金額だけを先に伝えるのではなく、算定表の目安と実際にかかっている費用を分けて示すと、何について話し合いたいのかが伝わりやすくなります。
養育費の話し合いを切り出す文面
最初の連絡では、結論を迫るのではなく、養育費について話す時間を取りたいことを伝えます。
LINEやメールで切り出す場合は、次のような文面が一つの例になります。
相手を責める言葉や、過去の夫婦関係への不満を一緒に書くと、養育費について話す目的が伝わりにくくなります。
まずは、子どもの生活費について話したいことと、話す日時の候補を簡潔に伝えてみましょう。
話し合いでは月額・支払日・支払期間などを決めます
話し合う内容は、月額だけではありません。後から認識が食い違わないよう、次の項目を一つずつ決めていきましょう。
| 話し合う項目 |
決める内容 |
| 月額 |
毎月いくら支払うか |
| 支払いを始める時期 |
何年何月分から支払うか |
| 支払日と方法 |
毎月何日までに、どの口座へ振り込むか |
| 支払期間 |
何歳または何年何月まで支払うか |
| 特別費用 |
進学、入院などの費用をどう分担するか |
| 見直し |
収入や進路が変わった場合にどう話し合うか |
「成人まで」のように後から意味が分かれやすい言葉は避け、年齢や年月を具体的に書くことが大切です。
詳しい取り決め項目は、次の記事で順番に説明しています。
合意できたら内容を書面に残します
話し合いで合意できたら、口頭だけで終わらせず、決めた内容を文章にまとめましょう。
LINEやメールで合意した場合も、月額、開始時期、支払日、支払期間、振込先などを一つの文章にまとめ、双方の認識をそろえておきましょう。
書面には、主に次の選択肢があります。
| 書面 |
特徴 |
| 合意書・離婚協議書 |
父母が合意した内容を文章にし、署名などで残す |
| 強制執行認諾文言付き公正証書 |
公証人が作成し、一定額の金銭支払と強制執行認諾の記載があれば、支払いがない場合に裁判手続を経ず強制執行を申し立てられる |
| 調停調書 |
家庭裁判所の調停で合意した内容が記載される |
公正証書は、公証人が養育費の金額を決めるものではありません。父母が合意した内容をもとに作成されます。
話し合いがまとまらない場合は養育費請求調停があります
相手が連絡に応じない場合や、金額・支払期間について合意できない場合は、家庭裁判所の養育費請求調停を利用できます。
調停では、裁判官と調停委員が父母それぞれから事情を聞き、収入資料や子どもの生活状況などをもとに合意を目指します。話し合いがまとまらない場合は、審判に移り、裁判官が事情を踏まえて養育費を定めます。
一人で直接話し合うことが難しい方へ
相手と直接会ったり、連絡を取り合ったりすることが難しい場合は、無理に自分で話し合う必要はありません。
連絡を無視されている、高圧的な言動がある、何を伝えればよいか整理できないという場合は、弁護士が間に入り、連絡や話し合いを進める方法があります。
手元にある公正証書、離婚協議書、LINEの履歴、これまでの振込記録などを分かる範囲でお聞かせください。どの方法から進めるかを一緒に整理します。相談は何度でも無料です。