「子どもの教育費が増えてきて、今の養育費では足りなくなってきました。でも、増額をお願いしたら払わなくなるんじゃないかと思うと、言い出せません。」
こういったご相談を、よくいただきます。
お子さまが成長すれば、お金がかかるのは当然のことです。小学校のときとは比べものにならないくらい、教育費は増えていきます。塾、部活の道具、修学旅行、受験費用。高校に入ればさらに制服代、通学費、教材費。
養育費は離婚したときの金額のまま。足りないのは分かっているけれど、「増やしてほしい」とは言い出せない。こういった状況の方は、本当に多いです。
この相談を受けたとき、いつも思うこと
「増額を言い出せない」という方に共通しているのは、==相手のことを考えすぎている==ということです。
「言ったら怒るかもしれない」「払わなくなるかもしれない」「もらっているだけありがたいと思わなきゃ」。相手の反応ばかり気にして、自分とお子さまのことが後回しになっている。
でも、養育費はお子さまのためのお金です。お子さまが成長して必要なお金が増えたなら、それに合わせて金額を見直すのは当然のことです。わがままでも何でもありません。
養育費の増額を言い出せない、その理由
- [[check]] 「増額を言ったら、逆に払わなくなるのでは」
- [[check]] 「もらっているだけありがたいと思わなきゃ」
- [[check]] 「相手を怒らせたくない」
- [[check]] 「自分がわがままなのかもしれない」
- [[check]] 「どうやって切り出せばいいか分からない」
どれも自然な気持ちです。でも、一つだけはっきりお伝えしたいことがあります。
==養育費の増額を求めることは、法律でも認められた正当な権利です。==
養育費の増額が認められるのは、どんなときか
養育費は、一度決めたら変えられないものではありません。「事情の変更」があれば、増額を求めることができます。
| 事情の変更 |
具体的な例 |
| お子さまの進学 |
中学・高校・大学への進学で教育費が増えた |
| 塾や習い事 |
受験のための塾代、部活動の費用 |
| お子さまの病気・障害 |
医療費や通院費の負担が増えた |
| あなたの収入減少 |
体調不良、雇用形態の変化、解雇 |
| 相手の収入増加 |
昇進、転職、副業で収入が増えた |
特に、==お子さまが中学・高校に進学するタイミングは、増額が認められやすい時期==です。裁判所の算定表でも、お子さまの年齢が上がると養育費の目安額は高くなります。
養育費の増額を言ったら、払わなくなるのでは?
この不安が、一番多く聞くものです。
結論から言うと、増額の話し合いをしたことで支払いが完全に止まるケースは、それほど多くありません。なぜなら、養育費の支払い義務は法律で定められたものであり、「気に入らないから払わない」は通用しないからです。
仮に相手が「じゃあもう払わない」と言ったとしても、調停や審判で金額を決めてもらうことができます。そして、決まった金額を払わなければ、給与の差押えもできます。
==つまり、増額を求めたことで不利になることは、法律上はありません。==
それでも直接言うのが怖い場合は、弁護士が代わりに交渉することもできます。あなたが相手と直接話す必要はありません。
養育費の増額は、どう進めればいいか

| 段階 |
方法 |
| 第1段階 |
相手との話し合い(直接が難しければ弁護士が代理) |
| 第2段階 |
養育費増額の調停を家庭裁判所に申し立てる |
| 第3段階 |
調停で決まらなければ、審判で裁判所が金額を決定 |
話し合いで合意できれば、それが一番早いです。ただ、話し合いが難しい場合でも、調停という制度があります。調停では調停委員が間に入ってくれるので、相手と直接顔を合わせる必要はありません。
養育費の増額について、弁護士として思うこと
「足りない」と感じながらも、それを言い出せずに我慢している方をたくさん見てきました。
お子さまのために必要なお金が増えているのに、それを相手に伝えることすらできない。その苦しさは、養育費の金額の問題だけではなく、離婚後もずっと相手に気を使い続けなければならないという精神的な負担でもあると思います。
増額を求めるかどうかは、最終的にはあなたの判断です。でも、==今の金額が適正なのかどうか、増額が見込めるかどうかを確認するだけでも、気持ちが整理できることがあります。==
LINEで今の状況を教えていただければ、算定表をもとに一緒に確認していきましょう。