離婚するときに「養育費はいらない」と言ってしまった後に、「やはり養育費を受け取りたい」と思っていませんか。
一度「いらない」と言っただけで、今後の養育費を二度と請求できなくなるとは限りません。
大切なのは、「いらない」と言った事実だけではなく、その言葉を伝えた状況と、相手との間でどのような合意ができていたかです。
「養育費はいらない」と言った後でも請求できる?
結論から言うと、一度「いらない」と伝えただけなら、後から請求できます。
離婚時の話し合いで一度口にしただけなのか、一定期間だけ受け取らないつもりだったのか、将来にわたって請求しないことを相手と合意したのかによって扱いが変わります。
そのため、「いらないと言った」という一つの言葉だけで、請求できるかどうかが決まるわけではありません。
口頭で言っただけなら、後から請求できます
話し合いの途中で感情的になって口にした言葉と、今後一切請求しないことを父母で合意した場合は同じではありません。
口頭で一度言っただけで、相手も「今後は支払わなくてよい」という内容に明確に同意していないのであれば、将来の養育費を請求しない合意が成立していたとは限りません。
相手から「一度いらないと言ったのだから、もう請求できない」と言われても、その言葉だけで請求できなくなるわけではありません。当時の会話から、将来にわたって請求しない合意まで成立していたかが重要です。
LINEやメールに残っていると請求できない?
LINEやメールに「養育費はいらない」と残っていても、その一文だけで将来の請求がすべてできなくなるとは限りません。
たとえば、「仕事が決まるまでは払わなくてよい」「今は受け取らない」と伝えたのであれば、一定期間だけ受け取らないという意味で、将来の養育費まで請求しないと決めたとは限りません。
一方で、「今後一切請求しない」と伝え、相手もその内容を明確に了承しているやり取りが残っていれば、将来の養育費を請求しない合意があったと扱われる可能性が高くなります。
請求できるかどうかは、送った文章の全体、相手の返答、その後のやり取りによって決まります。
書面に「請求しない」と書いた場合は?
離婚協議書などに「養育費は0円とする」「今後は養育費を請求しない」と書き、父母双方が署名している場合は、口頭で言っただけの場合とは異なります。
書面で明確に合意した内容を、一方の判断だけでなかったことにすることはできません。
ただし、書面があるからといって、将来にわたってどのような事情が生じても一切請求できないと決まるわけではありません。書面を作った後に子どもの生活状況や父母の収入が大きく変わっていれば、将来の養育費を請求できる余地はあります。
「いらない」と言った理由も判断に関係します
同じ「いらない」という言葉でも、意味は一つではありません。
相手と関わりたくなくて口にしたのか、離婚を早く成立させるために一時的に伝えたのか、生活に困っていなかったため当時は必要ないと考えていたのかで、言葉の背景が異なります。
その後、子どもの進学や治療で支出が増えた、仕事や収入の状況が変わったなど、当時とは事情が変わっていれば、その変化も判断材料になります。
後から請求できるかは、発言だけを切り取るのではなく、なぜそう伝えたのか、相手とどこまで合意していたのか、その後に何が変わったのかを合わせて判断します。
後から請求できるかは、相手との合意内容で変わります
一度「養育費はいらない」と言っただけで、これから先の養育費を請求できないと決まるわけではありません。
口頭で一度伝えただけなら、それだけで請求できなくなるわけではありません。LINEやメールに残っている場合は、文章全体と相手の返答が重要です。書面で明確に合意していても、その後に子どもの生活状況や父母の収入が大きく変わっていれば、将来の養育費を請求できる余地はあります。
「いらない」と言ったことだけで諦めず、どのような形で伝え、相手がどう返答し、どこまで合意していたのかを確かめることが大切です。
書面の内容や当時のやり取りを見ても、後から請求できるか判断できないときはご相談ください。